ベンザルコニウム塩化物は赤ちゃんのおしりふきに安心して使える？徹底解説

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おしりふきの成分、チェックしていますか？

赤ちゃんのお世話に欠かせない「おしりふき」。
おしりふきに配合された成分の安心性も気になるというパパ・ママも少なくありません。
中でも注意したい成分、「ベンザルコニウム塩化物（ベンザルコニウムクロリド）」と「第四級アンモニウム化合物（クワット）」とは何なのでしょう？
安心して赤ちゃんに使ってよいものなのか、徹底解説します。

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ベンザルコニウム塩化物とは？

ベンザルコニウム塩化物は、第四級アンモニウム化合物（クワット）に属しており、身近な消毒液、除菌シート、家事用洗剤に広く配合されています。

消毒・殺菌作用に非常に秀でた成分で、幅広い種類の細菌やウイルスに対して効果を発揮します。

ベンザルコニウム塩化物は、そのため、おしりふきなどにも使用されています。

しかし、赤ちゃん用のおしりふきに使用される場合、その安全性には懸念があります。

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ベンザルコニウム塩化物の危険性は？

消毒用ウェットティッシュに含まれる化学物質が深刻な健康被害と関連

新型コロナウイルスのパンデミック時に広く普及した消毒用ウェットティッシュには、深刻な健康問題と関連する化学物質が含まれている可能性がある──

2023年5月8日に科学誌『Environmental Science & Technology』に掲載された調査が、多くの懸念を浮き彫りにしています。

「第四級アンモニウム化合物と喘息、皮膚炎、炎症との関連が複数の研究で確認されています」

と研究者たちは述べています。

「動物実験では、不妊、先天異常などとの関連も懸念されています。」

研究の共著者であるコートニー・カリニャン氏は、次のように指摘します：

「第四級アンモニウム化合物を含む消毒用ウェットティッシュは、学校の机、病院の診察台、家庭内などでも頻繁に使用されており、その成分は表面や空気中に残留します。」

さらに彼女は次のように続けます：

「私たちの調査では、多くの場合、これらの消毒剤の使用は不要あるいは有害です。表面の掃除には水と石けんで十分であり、そちらの方が安全です。」

同調査に関わった別の研究者、エリカ・ハートマン氏も次のように述べています：

「私たちが健康危機に対処するために使用している化学物質が、別の健康危機を引き起こしているというのは皮肉なことです。」

ハートマン氏は、新型コロナ以前から抗菌剤耐性が世界で年間数百万人の死因となっていたことを指摘し、「過剰な消毒、とくに第四級アンモニウム化合物を含む製品の使用は、状況をさらに悪化させるおそれがある」と警鐘を鳴らしています。

科学誌『Environmental Science & Technology』

第四級アンモニウム化合物のばく露により、ヒトの生殖機能に影響がある可能性

カリフォルニア大学デイビス校の科学者らがEnvironmental Health Perspectivesに発表した論文によると、よく用いられている「塩化セチルピリジニウム」と「塩化ベンザルコニウム」という2つのクワットが、試験管内においてネズミの細胞の機能障害 を引き起こしました。

1,600種以上の家事用および医薬品に用いられている化学物質のネズミの細胞に対する影響を調べた結果、第四級アンモニウム化合物はミトコンドリア（細胞にエネルギーを供給している構造体）の機能を障害していました。

「ミトコンドリアの障害は、パーキンソン病のリスク上昇とも関連しているという結果もある」

と共同著者のGino Cortopassi氏は述べています。

また、第四級アンモニウム化合物はエストロゲンのシグナル伝達も障害していました。

現時点における人体への影響はまだ確定していないといいつつも、Cortopassi氏は、

「これらの化学物質にばく露することで、ヒトの生殖機能に影響を及ぼす可能性もある」

と警告しています。

科学誌『Environmental Health Perspectives』

バージニア工科大学の研究

2014年、バージニア工科大学の科学者たちが消毒液に配合された第四級アンモニウム化合物によりマウスの生殖機能が障害されたという結果を、不意に発見しました。

約3年後、同じグループは「ベンザルコニウムクロリド」または「ジデシルジメチルアンモニウムクロリド」にばく露されたネズミの子に、先天異常（例えば、脊柱の形成障害＝二分脊椎）が増加しているという関連も整理しました。

第四級アンモニウム化合物の毒性に関して解明すべきメカニズムは依然不明です。

カリフォルニア大学デイビス校およびバージニア工科大学のグループは、この問題の解明に向けた継続的な研究に臨んでいます。

赤ちゃんのおしりふきに配合しても安心なの？

ベンザルコニウム塩化物は、特に敏感肌の人に対して皮膚刺激やアレルギー反応を引き起こすことが知られています。

また、刺激性もあり、赤ちゃんの非常にデリケートな皮膚に赤み、かぶれ、アレルギー反応を伴う場合もあります。

さらに、ベンザルコニウム塩化物は目や呼吸器に対する刺激を引き起こすこともあり、吸入や誤飲による影響も懸念されます。

ただし、赤ちゃん用ウェットティッシュに含まれるベンザルコニウム塩化物の量は非常に少なく、副作用のリスクを軽減する設計になっています。

また、米国食品医薬品局（FDA）や環境保護庁（EPA）などの機関により、その使用は安全基準に基づいて規制・監督されています。

それでも、一部の専門家は、特に新生児の肌を清潔にする際には、ウェットティッシュよりも水や低刺激の石けんを使うことを推奨しています。

また、保護者は無香料・低刺激性・アレルギー対応のウェットティッシュを選ぶことで、アレルギー反応のリスクを最小限に抑えることができます。

ベンザルコニウム塩化物が配合されてないおすすめのおしりふき

それじゃあ、どんなおしりふきを選べばいいの？

そんな疑問にお答えして、ベンザルコニウム塩化物未配合のおしりふきをご紹介します。

🥇セブンスジェネレーション

🥈カークランドシグネチャー

🥉パンパース

まとめ

ベンザルコニウム塩化物は強力な消毒成分ですが、赤ちゃんの敏感な肌には刺激となる可能性があるため注意が必要です。

赤ちゃん用おしりふきを選ぶ際は、成分表示をよく確認し、水や低刺激の石けんでのケアを検討するのが理想です。

おしりふきを使う場合は、無香料・低刺激・アレルギー対応製品を選びましょう。

参考文献：

Le chlorure de benzalkonium dans les lingettes est-il sans danger pour les bébés ?

Utiliser des lingettes désinfectantes pourrait nous exposer à des composés chimiques dangereux

Produits d’hygiène et ménagers : faut-il s’inquiéter des ammoniums quaternaires ?