紫外線対策アイテムによく使われる成分「オクチノキサート」。
でも最近では、「環境に悪い?」「肌に刺激がある?」などの声もちらほら。
今回は、このオクチノキサート(Ethylhexyl Methoxycinnamate)について、
・どんな成分?
・肌や環境への影響は?
・代わりにどんな成分が使われている?
など、わかりやすくまとめてみました。
オクチノキサートって何?
オクチノキサートは、UVB波(紫外線B波)を主に吸収する紫外線吸収剤です。
日焼け・シミ・皮膚がんなどを引き起こすUVBから肌を守ってくれる成分で、化粧品成分表示では「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 」と書かれています。
化学的には、有機化合物(炭素・酸素・水素)ベースの合成成分で、シナモンの香り成分にも含まれる「シンナミック酸」の誘導体です。
どこから来た成分?
オクチノキサートは、炭素・水素・酸素からなる合成有機化合物で、シナミック酸(桂皮酸)の誘導体です。シナミック酸は、シナモンなどにも含まれている天然成分です。
なぜ使われているの?
- 紫外線から肌を守る効果
- UVB吸収による日焼け防止
- 化粧品のテクスチャー改善(なめらかさ・伸びの良さなど)
- 他の紫外線吸収剤を溶かす「溶媒」としての効果もあり、使用感の軽さにも貢献します。
そのため、日常使いのUVケアクリームや化粧下地などに幅広く使われています。
安全性はどうなの?
オクチノキサートには一部で以下のような懸念があります。
- 内分泌かく乱作用(ホルモンへの影響)の可能性
- 水中生物への影響(サンゴの白化現象など)
ただし、現時点の評価では以下のようにまとめられています。
- フランス保健製品安全庁(Afssaps)によると、10%以下の濃度であれば安全性に問題なしとされています(2012年の評価)。
- WHO(世界保健機関)は、人に対する内分泌かく乱物質とは認定していません。
- 一部のデータでは環境への影響が指摘されていますが、生分解性は高いとされています。ただし、水生生物への長期的な悪影響の可能性はあるとして、現在も欧州でさらなる検証が進められています。
企業の対応は?
多くの企業では、オクチノキサートを使用する際には安全性を厳しく評価したうえで製品化しています。特に日常用のUVケアアイテムにおいて、他の油性成分を減らしてベタつきを抑える目的でも使われています。
なお、近年では環境や肌への影響を考慮し、オクチノキサートを使わない処方に切り替えるブランドも増えています。
やさしいコスメでのオクチノキサートの評価は?
やさしいコスメでは、オクチノキサートはリスクのある成分として評価しています。
- 評価レベル:★★☆☆☆
- 理由:
- 内分泌かく乱物質である可能性が指摘されていること
- 海洋環境(特にサンゴ)への悪影響が懸念されていること
やさしいコスメでは、こうした成分に対して慎重な立場を取り、「避けた方がよい可能性がある成分」として警告表示することがあります。
オクチノキサートの代わりに使われているUVカット成分とは?
環境や肌への配慮から、オクチノキサートフリーの処方も増えてきました。
よく使われている代替成分はこちらです。
酸化亜鉛(Zinc Oxide)
- UVA・UVBともにカット可能なノンケミカル(物理)フィルター
- 敏感肌にもやさしい
- 白浮きしやすい傾向あり
Tinosorb系(Tinosorb S / M)
- 高い紫外線カット効果&安定性
- 使用感が軽く、欧州で人気
- 日本ではまだ採用製品は少なめ
酸化チタン(Titanium Dioxide)
- UVBと一部UVAをブロック
- 敏感肌向けで広く使用
- ナノ粒子かどうかで評価が異なる
オクチノキサート不使用のおすすめ製品(2025年版)
「オクチノキサートは避けたいけど、どの製品を選べばいい?」
そんな方に向けて、ナチュラル志向・敏感肌向けのUVケアをご紹介します。
アロベビー UV&アウトドアミスト
❤️ 酸化亜鉛・酸化チタンの併用で紫外線防御効果が高い
❤️ 植物由来の抗炎症・抗酸化成分が豊富
❤️ 香料ではなく天然精油を使用
MammaBaby ノンケミカルUVミルク
❤️ 紫外線防御成分が酸化亜鉛・酸化チタンで、安全性が高い
❤️ 保湿成分が豊富で乾燥を防ぐ
❤️ 抗炎症・抗酸化成分が含まれており、敏感肌向け
❤️ シリコーンフリーで、肌への負担が少ない
❤️ 防腐剤が含まれていないため、低刺激で赤ちゃん向け
WELEDA(ヴェレダ) エーデルワイス UVプロテクトミルク
❤️ 紫外線散乱剤(酸化チタン)使用で、赤ちゃんの肌に優しい
❤️ 保湿・鎮静成分が豊富で、敏感肌にも適している
❤️ 低刺激な乳化・防腐成分が多く、赤ちゃん向けとして好ましい
まとめ
オクチノキサートは、便利な紫外線吸収剤ですが、近年では肌や環境への影響から再評価が進んでいます。
・成分単体だけでなく、処方全体を見て選ぶ
・自分の肌質やライフスタイルに合うものを選ぶ
これが「やさしいコスメ選び」のポイントです!
参照記事:https://au-coeur-de-nos-produits.loreal.fr/ingredients/octinoxate
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