PEG(ポリエチレングリコール)とは?効果・安全性をやさしく解説

成分解説

化粧品の成分表示でよく見かける「PEG」。
シャンプーやボディソープ、乳液など幅広い製品に含まれていますが、実は肌への刺激性や発がん性リスク、環境への悪影響が指摘されている成分です。

この記事では、PEG(ポリエチレングリコール)の正体と、避けるべき理由について詳しく解説します。


PEGとは?成分の特徴と見分け方

PEGは「ポリエチレングリコール(Polyethylene Glycol)」の略で、乳化・溶解・洗浄・保湿などの目的で化粧品に配合されています。

PEGの見分け方

PEGは「PEG-○○」のように表示されます。数字は分子量で、数字が大きいほど分子量が高くなります。
例:PEG-10、PEG-60など。

この数字によって、成分の性状(液体、クリーム状など)が異なります。
たとえば、PEG-75はPEG-14よりも分子構造が大きく、よりコクのある質感を与えることができます。


PEGは何に使われているの?

PEGは非常に用途の広い成分で、以下のような効果を目的に使用されています。

  • 乳化剤(油と水を混ぜる)
  • 増粘剤(テクスチャーを調整)
  • 界面活性剤(洗浄・泡立ち)
  • 溶剤・保湿剤・柔軟剤としても使用

シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジング、乳液、クリームなど幅広い製品に配合されています。


なぜPEGは危険視されるの?

PEG自体が必ずしも有害というわけではありませんが、製造工程や不純物の混入により、以下のようなリスクが指摘されています。

発がん性リスクのある不純物

PEGの製造中に発生する不純物「1,4-ジオキサン」「エチレングリコール」は、発がん性が疑われている化学物質です。
とくにPEG-60など、一部のPEGは汚染リスクが高いとされています。

肌への刺激

PEGは高濃度で使用すると皮膚刺激を引き起こすことがあります。敏感肌の方は特に注意が必要です。

環境への悪影響

PEGは生分解性が低く、自然界で分解されにくいため環境汚染の原因となります。排水後、川や海に長く残ってしまいます。

製造方法にも注意

PEGは石油由来の原料を高温・高圧で化学反応(エトキシル化)して作られます。この製造工程が非常に環境負荷が高いのも問題視されています。



やさしいコスメでのPEGの評価は?

やさしいコスメでは、PEGは避けたい成分として評価しています。

  • 評価レベル:★★☆☆☆
  • 理由:
    • 製造時にエチレンオキシドや1,4-ジオキサンといった発がん性の懸念物質が残留するリスクがあるとされていること
    • 製造過程や生分解性が低いことで、環境負荷が高いこと

やさしいコスメでは、こうした成分に対して慎重な立場を取り、「避けた方がよい可能性がある成分」として警告表示することがあります。


まとめ

PEGフリーを意識することが、肌と環境を守る第一歩

PEGは化粧品によく使われる便利な成分ですが、不純物リスク・刺激性・環境への悪影響といった懸念があります。
すぐにすべてを排除する必要はありませんが、少しずつPEGフリーの製品を選ぶ習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。

「知って選ぶこと」こそが、肌と地球にとってやさしい選択になります。

参考文献:Les ingrédients à éviter, épisode 14, les PEG
PEG-75 | ポーラチョイス公式サイト – Paula’s Choice 

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