安息香酸とは?効果・リスクをわかりやすく解説

成分解説

安息香酸(E210)とは?

安息香酸(Benzoic Acid)は、主に食品や化粧品などに使われる保存料(防腐剤)で、製品の品質を長持ちさせるために添加されます。細菌やカビの増殖を抑える効果があり、特にお菓子・飲料・化粧品・医薬品など、幅広い分野で使用されています。

化学的には芳香族カルボン酸(C7H6O2)に分類され、白い結晶状の粉末として存在。工業的にはトルエンを酸化することで合成されますが、実はクランベリーやストロベリー、プロポリス、乳製品などにも自然に含まれている成分です。


健康への影響は?

フランスでは、安息香酸の使用は規制の範囲内で許可されています。
※一日摂取許容量(DJA)は 5mg/体重kgあたりまでとされ、それ以下であれば健康リスクは低いとされています。

しかし、それ以上摂取すると以下のようなリスクが指摘されています:

  • 刺激性・アレルギー性の懸念:特に敏感肌では、赤みやかゆみなどの刺激反応を引き起こす可能性があります。
  • 神経系への悪影響:一部の研究では、一定量を超える摂取で神経系に悪影響を及ぼす可能性があると報告されています(特にソルビン酸(E200)と併用された場合)。
  • 他成分との相互作用に注意:特にビタミンC(アスコルビン酸)と併用されると、発がん性が指摘される「ベンゼン」が生成される可能性があります。
  • じんま疹や喘息を頻回に起こす患者:安息香酸の接種により、症状やその悪化が観察されています。

肌や赤ちゃんへの影響は?

安息香酸は主に食品で使われていますが、一部のスキンケア製品や医薬品(抗菌クリームなど)にも含まれていることがあります

  • 皮膚への刺激性は低いとされていますが、敏感肌やアトピー肌の方には注意が必要です。
  • 特に小さな子どもや乳幼児は、体重あたりの影響を受けやすいため、使用量には注意したいところです。
  • 大量摂取した子どもにアレルギー反応や過敏症が報告されていることもあります。

環境への影響は?

現時点では、安息香酸の環境毒性はそれほど強くないとされています。
しかし、合成経路や排水処理によっては環境中に微量の残留リスクがあることも考えられます。特に工業的製造過程で使われる化学物質が自然界に流出しないような管理が必要です。

やさしいコスメでの安息香酸の評価は?

やさしいコスメでは、安息香酸はリスクのある成分として評価しています。

  • 評価レベル:★★☆☆☆
  • 理由:
    • アレルギー反応や肌トラブルを起こす可能性があること
    • ビタミンC(アスコルビン酸)と併用されると、発がん性が指摘される「ベンゼン」が生成される可能性があること

やさしいコスメでは、こうした成分に対して慎重な立場を取り、「避けた方がよい可能性がある成分」として警告表示することがあります。

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❤️ 保湿・鎮静成分が豊富で、敏感肌にも適している
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まとめ

安息香酸(E210)は、食品や化粧品など幅広く使われている保存料で、適切な量であれば安全とされています。

しかし、他の成分との組み合わせや過剰摂取によるリスク、敏感肌・子どもへの影響には注意が必要です。

また、自然派志向の高まりとともに、よりやさしい代替成分を選ぶ動きも進んでいます。


成分表示をしっかりチェックし、自分や家族のライフスタイルに合った選択をすることが、安心・安全なスキンケアや食生活への第一歩です。

参考文献:

Acide benzoïque : tout savoir sur cet additif alimentaire

安息香酸および安息香酸ナトリウム

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